下の項目をクリックすると解説を表示します。

■「タンク」の種類は多種多彩!

■タンクの内部はどうなっている?

■薄くて軽い自動車用鋼板、厚くて頑丈な建機用鋼板

■燃料タンクは“呼吸”をしている?

■燃料タンクの中に“仕切り板”がある理由

■建設機械の「作動油タンク」って何?

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タイトル:SUEYOSHIのタンク豆知識

「タンク」の種類は多種多彩!

ひと口に「タンク」と言っても、その種類はいろいろです。SUEYOSHIが製造しているタンクは、大型トラックなどの「自動車用タンク」と、パワーショベルをはじめとする「建設機械用タンク」に大別され、さらに用途や目的によって、さまざまなタイプに分けられます。また、材質によっても、スチール製、ステンレス製、アルミニウム製、樹脂製などに分けられます。

【用途による主な分類】
大型自動車用
タンク
燃料タンク 自動車の燃料を蓄えておくタンク
作動油タンク 油圧装置の油を蓄えておくタンク
ウォーターリザーブタンク ラジエーターの冷却水を貯めておくタンク
バキュームタンク ブレーキの真空倍力装置の油を蓄えるタンク
建設機械用
タンク
燃料タンク 建設機械の燃料を蓄えておくタンク
作動油タンク 油圧装置の油を蓄えておくタンク

写真:SSTシリーズスチール製自動車燃料タンク写真:樹脂製ウォーターリザーブタンク写真:SSTシリーズステンレス製タンク

タンクの内部はどうなっている?

タンクは単なる“箱”ではありません。内部には精密な仕組みが施されています。
大型自動車用燃料タンクを例にあげると、内部は「バッフルプレート」と呼ばれる板で仕切られ、エンジンへ燃料を送る「サクションパイプ」や、使われなかった燃料をタンク内に戻す「リターンパイプ」、燃料の残量を計るための「フロート」などの部品が組み込まれています。また、外部からの異物侵入を防ぐ仕組みや、内外の圧力負荷を考慮した形状など、さまざまな“工夫”も施されています。燃料タンクは「精密器械」といっても過言ではありません。

画像:自動車燃料タンク構造図
  • サクションパイプ ……エンジンに燃料を供給するためのパイプ
  • リターンパイプ ………使われなかった燃料をタンクに戻すためのパイプ
  • バッフルプレート ……加速時や減速時に燃料が片寄らないようにするための仕切り版
  • フロート ………………燃料の残量を計るための“浮き”
  • スクリーン ……………エンジンに送る燃料に微少な異物が混入しないようにするためのフィルター
  • ドレーン ………………タンクの底に設けられた水抜きや油抜きのための穴


薄くて軽い自動車用鋼板、厚くて頑丈な建機用鋼板

燃料タンクの主要モデルは鋼鉄の板で作られています。そしてその厚さは、自動車用と建設機械用では大きく異なります。

自動車用の燃料タンクは、走行に影響しないよう、なるべく軽くすることが求められます。そのため、鋼板は極めて薄く、0.8〜2.3mmしかありません(タイプによって異なります)。

一方、建設機械用のタンク(作動油タンクを含む)は、作業中に激しい振動を受ける上に、エンジンによる高熱の影響を受ける位置にあるため、ダメージを受けやすい環境にあります。そのため、厚い鋼板によって作られ、耐久性を高めています。1.6〜6.0mmと、自動車用タンクの2倍以上の厚さがありますが、当社のレーザー加工機は、この分厚い鋼板をあっと言う間に切断してしまいます。

画像:板厚の違いの解説図写真:レーザー加工機


燃料タンクは“呼吸”をしている?

紙パック入りの飲み物にストローを挿して吸うと、パックはだんだんつぶれていきます。内部の圧力が下がり、外から大気圧に押されるからです。逆に、内部の圧力が高くなる場合もあります。紙パックを両手で包むようにすると、中身が自然にストローから出て来ることがありますが、これは内部の空気が暖められて膨張し、圧力が上がって液体を押すからです。
どちらの場合も、 もう1本ストローを挿して外の空気と通じるようにすれば、パックがつぶれたり、中身が飛び出たりすることはありません。

燃料タンクにも同じことが言えます。タンクは気密性が高いため、もし「サクションパイプ」(燃料をエンジンに送るパイプ)しかなかったら、燃料が減るに従って、タンクは外から押しつぶされてしまいます。また、中の空気が膨張して圧力が高くなると、エンジンへ燃料を安定して供給できなくなります。
こうしたことが起きないよう、燃料タンクは外の空気が出入りする構造になっています。タンク内の圧力が下がったら外の空気を取り入れ、圧力が上がったら中の空気(正確には揮発した燃料との混合気体)を放出することで、タンク内の圧力が一定に保たれるようになっています。つまり、タンクは“呼吸”ができるように作られているわけです。

具体的には、フィラーキャップの装着部に、気体だけを通す機構を施しています。また、一部の最新型モデルでは、内圧が一定以上になると自動的に内圧を解除する「カットバルブ」が装着されています。いずれの場合も、中の燃料が外に漏れたり、また外の空気とともに異物がタンク内に入って来たりすることがないように工夫されています。

画像:紙パック内の圧力の解説図


燃料タンクの中に“仕切り板”がある理由

燃料タンクの中は「バッフルプレート」と呼ばれる“仕切り板”で区切られています(上記『タンクの内部はどうなっている?』の解説図を参照)。この板の役割は主に二つあります。一つは、タンクを内側から支え、耐久性を高めていることです。そしてもう一つの役割(これが最も重要)は、タンク内で燃料の“片寄り”が生じないようにしていることです。

自動車が加速している時、あるいは減速している時(「負の加速度がかかっている」とも言えます)には、加速度とは逆向きに「慣性力」がかかります。「慣性力」がかかると、タンクの中の燃料は、加速度とは逆の方向に移動しようとします(電車やバスがスピードを上げたり止まろうとする時、立っている乗客が倒れそうになるのと同じです)。すると、中に残っている燃料の量によっては、エンジンへの燃料の供給が途切れたり、それが原因で異常な音が発生したりします。そのため、内部を「バッフルプレート」で仕切り、燃料の“片寄り”を抑えているのです。
なお、実際のバッフルプレートは穴が開いているので、等速で移動している時や静止している時には、燃料の液面は、全体で同じ高さを保っています。

画像:バッフルブレード解説

※上図はわかりやすくするために誇張しています。


建設機械の「作動油タンク」って何?

建設機械には、燃料タンクとは別に「作動油タンク」が搭載されています(ダンプカーなど一部の特殊な車両にも搭載されています)。「作動油」は、ショベルなどの油圧装置の駆動用に使われる油で、粘度が高く、温度変化や化学的にも変質しにくい、専用の油が使われます。

油圧装置は「パスカルの原理」(液体を満たした容器の内側にかかる圧力は、どの面にも均等な大きさでかかる)を応用した、小さな力で大きな力を得ることができる装置です。例えば下左図の装置では、左のピストンに載っている1kgの重りと、右のピストンに載っている合計3kgの重りが釣り合っています。油を満たしたシリンダ内部の圧力はどの面にも均等な大きさでかかるので、ピストンの面積比を変えることで、右のピストンにかかる力を大きくしているわけです(図では、左のピストンと右のピストンの面積比が1:3なので、左側に加えた力は、右側で3倍に増幅されたことになります)。

実際の油圧装置は、シリンダ内の油を増減させることで、駆動力を得ています。つまり、油圧装置の動きに伴い、作動油タンクには油が出たり入ったりしています(ポンプで強制的に出し入れしています)。
油圧装置の性能に直接関係するだけに、作動油タンクには高い清浄度が求められます。また、作業中に発生する激しい振動や、エンジン熱や気温の変化等の影響も考慮しなければなりません。
これらのことから、作動油タンクには、燃料タンクよりも厚い鋼板が使われています。

画像:油圧装置


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